有限会社 桃園電設
お客様から「ある機器が発生するノイズによって、他の機器が誤動作する。ノイズを抑制できませんか?」と言われたら「とりあえずノイズフィルタを入れましょうか。それでもだめなら絶縁トランスも入れましょうか」と当社では回答すると思います。ノイズ対策は非常に難しく、やってみなければ答えが出ないのです。対策として「ノイズフィルタを挿入する」「絶縁トランスを挿入する」で、ある程度は改善すると思います。絶縁トランスを入れれば、コモンモード電流はトランスの1次側と2次側の結合容量分だけでしか漏洩しないので、非常に効果が大きいのですが、トランス自体がかなり高価になってしまいます。ノイズフィルタはトランスに比べれば安価なため、まずはこちらからの対策をお進め致します。
当社では双信電機またはTDKノイズフィルタをお勧めしております。理由は製品の種類が多いのと当社が取引している商社から購入可能だからです。減衰量の選択も何種類か選択できます。選定には、
1.ノイズの発生する機器の最大電圧・電流値を把握する。
2.ノイズの発生する機器の漏れ電流値を漏れ電流クランプメータにて測定する。
3.上記の仕様に適合するノイズフィルタを選ぶ。
の順序です。電圧・電流値は機器の仕様書で確認できると思います。漏れ電流値は測定しないと分かりません。漏れ電流が多ければ、高減衰のノイズフィルタを選択する必要があります。
ノイズには「伝導ノイズ」と「放射ノイズ」があります。本来ならば、当社がノイズ対策をするのではなく、機器を販売している会社が「伝導ノイズと放射ノイズは○○という規格に準拠しており、何dB以下ですから、他の機器へ影響を及ぼすことはありません」と回答するのが筋だと思います。しかしながら、当社が機器をお客様に販売した会社に質問したところ「それは何ですか?」なんて回答をしていました。変だなと思い、色々調査したところよほどの大手の工作機械メーカでない限り、ノイズ対策は施していないというのが実情みたいです。そして日本においてノイズ対策は「自主規制」であるため、法的な規制がありません。これが当社などがたまにですが、ノイズ対策をしなければならない原因だと思います。当社もお客様に頼まれればノイズ対策をやりますが、実際にお客様からお金を貰って対策しても、あまり効果がない場合が出てくる可能性があり、時間も拘束される可能性もあるので、喜んで行いたい仕事ではありません。
ノイズ関連の規制は
イ)国際無線障害特別委員会(CISPR)
ロ)情報処理装置等電波障害自主規制協議会(VCCI)
です。
両者とも伝導ノイズは「LISN」を、放射ノイズは「アンテナ」を、スペクトラムアナライザに接続して測定します。

結構お客様から多い質問は、上図の場合、当社ではIN(1と2)にシーケンサへ送る電源を接続し、OUT(3と4)を電源側(電源側にノイズ源であるインバータがいる場合)に接続させて(Gはアースへ)おりますと、「INとOUTが逆さまではないのですか?」という質問が結構ありました。
メーカによって様々ですが、上図のようにINとOUTとノイズフィルタに表示してある(メーカによって表現が異なりますが、IN側がインピーダンス小、OUT側がインピーダンス大の場合)と、勘違いすることもあるかもしれません。負荷(OUT)からのノイズを出さないようにする考えです。(まずする人はいないと思いますが、シーケンサ供給電源部に大きなLを入れてノイズ源であるインバータよりインピーダンスを大きくしている場合は別ですよ)
このOUTとは、ノイズ発生源がある側、INとはノイズを取り除いた側を意味しています。このINとOUTの表示は、自分自身がノイズを出す機器をOUTに接続し、IN側へノイズを漏らさないようにする場合の思想です。
もし、インバータのノイズを取りたい場合、インバータの電源入力側にはOUTを、インバータの出力(モータ側)にもOUTを接続し、モータをINに接続しないとインバータからのノイズはカットできません。あくまでも、ノイズ発生源側がOUTです。(入力側と出力側のノイズフィルタのG間で電流が還流しないように対策要)
当社がよくノイズフィルタを利用し、質問される場合は、インバータの入力電源と共通の電源からシーケンサの電源を取る場合が多いため、インバータが出すノイズをシーケンサへ流入させないようにするため、INとOUTが逆さまになっているのです。(電源側のインピーダンスが非常に高い場合などは特性が異なりますよ。そのような特殊な条件での話ではありません。)